【自由を奪うな】権力に真正面からケンカを売る映画たち

アクション映画

「決められたルールに従え」そう言われても、納得できないものは納得できない。独裁、格差、国家、権力——。今回は、そんな巨大なものを相手に「NO」を突きつける映画を集めました。ただ暴れるだけじゃない。それぞれが信じる“自由”のために立ち上がる、反逆と革命の映画をご紹介します


スノーピアサー(2013)

氷河期によって人類のほとんどが滅び、生き残った人々は永久機関で走り続ける巨大列車「スノーピアサー」の中で暮らしている。しかし列車内部には、前方車両で優雅に暮らす富裕層と、最後尾で劣悪な生活を強いられる貧困層という、徹底した階級社会が作られていた。そしてついに、最後尾の人々が列車の支配構造をぶち壊すために立ち上がる。

まず設定がめちゃくちゃ面白い。**「一本の列車そのものが社会の縮図」**になっていて、後方から前方へ進めば進むほど、暮らしている人間も食事も服装も世界そのものも変わっていく。主人公たちが一両ずつ突破していくので、革命映画なのにアクション映画としてもかなり観やすい。そして面白いのが、「金持ちVS貧乏人」という単純な話だけでは終わらないところ。先頭車両へ近づくにつれて、この列車がどうやって秩序を維持してきたのかが少しずつ見えてくる。
この世界を壊せば、本当に自由になれるのか?そこまで踏み込んでくるのが『スノーピアサー』の面白さ。

列車の最後尾から始まる、超ド直球の階級革命。

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バトル・ロワイアルII 鎮魂歌(2003)

前作『バトル・ロワイアル』で生き残った七原秋也。その後、彼は反政府組織「ワイルドセブン」を率い、国家に対して宣戦布告する存在となっていた。そして新たに集められた中学生たちに命じられたのは——七原秋也を殺せ。前作の「生徒同士で殺し合え」から一転、今度は国家VS若者という、とんでもない方向へ突っ走っていく。

正直、映画としてはかなり賛否が分かれる作品。前作のような極限状態のサバイバルを期待すると、「思ってたのと違う!」となる可能性は高い。でも今回のテーマで観ると、めちゃくちゃ面白い一本。本作が描いているのは、単なるデスゲームではなく、「大人たちが作った社会に、若者が反旗を翻す」
という反逆そのもの。しかも七原たちは完全な正義として描かれているわけでもない。国家から見ればテロリスト。本人たちからすれば自由を求める抵抗者。この危うさが『BRII』らしい。荒削りだし、熱量が暴走しているところもある。でも、その暴走込みで妙に忘れられない映画なんだよね。

賛否上等。ここまで真正面から国家にケンカを売る邦画も珍しい。

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チェ 28歳の革命(2008)

1950年代のキューバ。独裁政権を倒すため、フィデル・カストロ率いる革命軍に参加したアルゼンチン人医師、エルネスト・“チェ”・ゲバラ。後に世界中で革命の象徴となる男が、仲間たちと山中を進み、戦いながら革命を現実のものにしていく姿を描く。

今回の4本の中で、これだけはフィクションではない。
そしてそこが強烈。今ではチェ・ゲバラといえば、あまりにも有名な「あの顔」。Tシャツやポスターにもなっているから、映画を観たことがなくても顔だけは知っている人も多いと思う。でも本作で描かれるのは、アイコンとしてのゲバラではなく、革命の現場にいた一人の人間としてのゲバラ。仲間と歩き、戦い、負傷者を治療し、少しずつ人々から信頼を得ていく。派手なヒーロー映画ではない。だからこそ、「革命って、本当に人間が起こした出来事なんだ」
という生々しさがある。ベニチオ・デル・トロの存在感も凄まじく、静かなのに妙に目が離せない。

革命の象徴になる前の“チェ”を知る一本

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Vフォー・ヴェンデッタ(2005)

独裁政権によって支配された近未来のイギリス。政府はメディアを支配し、人々を監視し、恐怖によって国民を従わせていた。そんな社会に現れたのが、ガイ・フォークスの仮面を被った謎の男「V」。彼は政府施設を次々と破壊しながら、国民に問いかける。この国を支配しているのは、本当に政府なのか?

今回のテーマなら、最後はやっぱりこれ。Vはヒーローなのか、テロリストなのか。やっていることだけを見れば、とんでもなく危険な人物。でも彼が戦っている相手は、人々から自由を奪い、恐怖によって支配する国家。この映画が面白いのは、V本人を単純な正義のヒーローにしないところ。そして物語が進むにつれて重要になっていくのは、Vという一人の男ではなく、「人間は恐怖によってどこまで自由を手放してしまうのか」という部分。
仮面を被っているからこそ、Vは特定の誰かではなく“反逆の象徴”になっていく。終盤の光景は、この映画を象徴する名シーン。観終わったあと、ガイ・フォークスの仮面を見る目がちょっと変わる。

人間は殺せても、思想までは殺せない

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今回紹介した4本に共通しているのは、単純な「正義VS悪」ではありません。
列車の階級社会に立ち向かう者。国家そのものに反旗を翻す若者。
現実に革命を起こした男。そして、独裁政権にたった一人で戦いを挑む仮面の男。立場も時代も戦い方もまったく違う。それでも彼らに共通しているのは、
「誰かに決められた世界を、そのまま受け入れない」ということ。
革命や反逆という言葉だけを見ると少し重たく感じるかもしれません。でも映画として観てみると、その根っこにあるのは意外とシンプル。
自分の人生を、自分で選びたい。そんな「自由」を巡る4本です。あなたなら、従いますか?それとも——反逆しますか?

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